ゴミ屋敷清掃の現場に長く携わっていると、残念ながら「またお会いしましたね」と挨拶することになるお客様がいらっしゃいます。清掃業者として部屋を綺麗にすることはできますが、お客様の生活習慣や思考回路までを一度の作業で変えることは不可能です。ゴミ屋敷を繰り返さないためには、清掃後の「維持」にこそ心血を注がなければなりません。リバウンドを防ぐための第一の鉄則は、一度に完璧を目指さないことです。ゴミ屋敷化する人の多くは、意外にも完璧主義者であることが多く、少しの乱れを許容できずに「もうどうにでもなれ」と投げ出してしまう傾向があります。そのため、「毎日一つだけゴミ袋を出す」といった、絶対に失敗しない極小のルールを課すことが有効です。第二の鉄則は、外部の目を定期的に入れることです。ゴミ屋敷化は、他人を家に呼ばなくなることから加速します。月に一度の家事代行サービスや、信頼できる友人との定例的なお茶会など、他人が部屋に入る予定を作ることで、強制的に清潔な状態を保つ動機づけを行います。第三の鉄則は、物の入口を制限することです。ゴミ屋敷になるのは「捨てる量」よりも「入れる量」が多いためです。新しい物を一つ買ったら二つ捨てるという「ワンイン・ツーアウト」のルールを徹底し、ストックを過剰に持たない習慣を身につけることが重要です。また、現代においてゴミ屋敷を繰り返す人々の中には、買い物の利便性が高まったことによる依存症的な問題を抱えている方も少なくありません。ネットショッピングの履歴を見直し、自分が何を求めて物を買っているのかを客観視する時間を設けることも、環境を維持するための大きな助けとなります。掃除が終わった後、最後に使った軍手を脱ぎ、手を洗って、清潔なタオルで拭く。その一連の動作の終止符として、部屋全体を眺めてみてください。そこには、軍手という相棒と共に作り上げた、新しいあなたの世界が広がっています。プロの清掃はあくまでスタート地点であり、その後の日々をいかに自分を律して過ごすかが、本当の意味での「勝利」への道となります。
プロが教えるゴミ屋敷リバウンドを防ぐための鉄則