私がゴミ屋敷清掃の仕事に飛び込んだのは、特別な経験を求めてのことでした。最初の現場に足を踏み入れた時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。想像をはるかに超えるゴミの量、鼻を刺す強烈な異臭、そして無数の害虫。正直なところ、「本当にこれを片付けられるのか」と心が折れそうになりました。しかし、先輩スタッフの指示に従い、一歩ずつ作業を進めるうちに、この仕事の奥深さに気づかされました。 体力的なきつさは言うまでもありません。大量のゴミを運び出し、分別し、清掃する作業は、まさに肉体労働の極みでした。重い家具の運搬や、足場の悪い中での作業は、常に危険と隣り合わせです。しかし、それ以上に精神的にきつかったのは、ゴミの山の中から依頼主の「生活」を読み取ることでした。大量の空き容器や食品の残骸、古びた衣類や手紙など、一つ一つのゴミが、そこに住む人の人生の断片を物語っているように感じられたのです。時には、依頼主の孤独や悲しみ、あるいは諦めのような感情が、ゴミを通して伝わってくるようで、胸が締め付けられる思いをしました。 そんな過酷な現場で働きながらも、私がこの仕事を続けてこられたのは、「感謝の言葉」があったからです。片付けが終わり、見違えるように綺麗になった部屋を見た依頼主が、涙を流しながら「ありがとう」と言ってくれた時、これまでの苦労が全て報われた気がしました。それは、単に部屋が綺麗になったことへの感謝だけでなく、失いかけていた生活を取り戻せたことへの喜びであり、私たちがその手助けができたことへの感謝だと感じました。 もちろん、給料は決して高額とは言えませんでしたが、この仕事で得られたものは、お金では買えない貴重な経験と、人とのつながり、そして何よりも「誰かの役に立てた」という大きな達成感でした。ゴミ屋敷清掃の仕事は、確かにきつい仕事です。しかし、そのきつさの先に、確かなやりがいと、人間としての成長があることを、私はこの体験を通して学びました。