ゴミ屋敷の片付けにおいて、最も困難な作業の一つが「物の見極め」、すなわち「いるものといらないものを区別する」ことです。長年溜め込んだ物には、それぞれ持ち主の思い出や感情が絡み合っており、捨てることに強い抵抗を感じるケースが多々あります。しかし、効率的に片付けを進めるためには、この見極めの順番と基準を明確にすることが不可欠です。 まず、見極めの順番としては、「明らかなゴミ」から手をつけるのが鉄則です。賞味期限が切れた食品、壊れて使えない家電、破れた衣類、大量のDMやチラシなど、どう考えても不要だと判断できる物から躊躇なく処分していきましょう。この段階では、感情を挟まず、客観的に判断することが重要です。迷う物については一旦保留にし、「保留ボックス」などを用意して後で改めて見直すようにすると、作業が滞るのを防げます。 次に、「一年以上使っていない物」を見極める基準を設定します。一般的に、一年以上使っていない物は、今後も使う可能性が低いと言われています。衣類、雑貨、趣味の道具など、あらゆる物に対してこの基準を適用してみましょう。ただし、季節物や冠婚葬祭用の物など、使用頻度は低いが必要な物もありますので、それらは例外として扱います。この段階では、物の実用性に焦点を当て、感情的な価値判断は極力避けるように心がけます。 そして、「思い出の品」は一番最後に手をつけるべきです。アルバム、手紙、プレゼントなど、感情的な価値が高い物は、片付けの初期段階で触れてしまうと、手が止まってしまいがちです。他の物がほとんど片付いてから、落ち着いて一つ一つと向き合う時間を作りましょう。その際も、「本当に大切な物だけを残す」という意識を持ち、写真であれば厳選してデータ化する、手紙であれば読み返して処分するなど、具体的な方法を検討することで、物の量を減らしつつ思い出を残すことができます。物の見極めは、決して簡単ではありませんが、これらの順番と基準を意識することで、着実に片付けを進められるでしょう。
ゴミ屋敷片付けで迷わない物の見極め方